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雑誌コードの歴史について

雑誌コードの歴史と変遷

1)雑誌コード

 雑誌コードは、雑誌販売が盛んになった昭和29年に業界初の商品コードとして誕生しました。当時の販売会社は、雑誌の取り扱いも増えたことに比例して、その事務および作業が膨大な量となり、事務効率化を図る流通改革を余儀なくされていました。そこで昭和29年10月に、販売会社のなかでも雑誌を主力としていた東京出版販売株式会社(現・(株)トーハン)が、アメリカの大手電算機メーカーIBM社の機械を導入し、パンチカードシステム(Punch Card System)PCSを導人し、雑誌のタイトルを50音順に4桁のコードに付番した社内管理用コード(当初はIBMコードと呼ばれました)を誕生させました。このコードを使用することで、送品・返品に関わる伝票作成や計算、売上統計事務などが機械化され、大量事務の合理的な処理に成功し、その他の販売会社にも波及していきました。
 大衆消費社会が活況を帯びてきた昭和30年代前半頃、出版業界では、空前の週刊誌ブームで、月刊誌以上に週刊誌の創刊が続出し、刊行点数の飛躍的な増加に伴い、これまでのコード体系にも見直しが必要になってきました。そこで昭和53年3月、(社)日本出版取次協会が、これまでの4桁コードから発行形態別を表す5桁コード(1桁目に表示)に体系を改訂し、名称も『雑誌コード』として販売会社共通のコードを制定しました。

2)共通雑誌コード

 雑誌が書店から食品・雑貨などを扱うコンビニエンスストアにまで販売網を拡大してくると、コンビニエンス店舗が使用するPOSシステムとの互換性を高める声が強くなってきました。 POSシステム対応策を講じるため、昭和57年12月に、(社)日本雑誌協会は、(財)流通システム開発センターの協力のもと、バーコード研究小委員会を設置しました。 POSシステムに対応するには、JAN(Japanese Article Number)コード<※1>体系に準拠させる必要があったため、翌年1月に雑誌をJANコード管理するための協議を開始しました。
 翌年7月には、(社)日本出版取次協会、日本書店商業組合連合会も参画し、バーコード研究小委員会からPOSシステム研究小委員会と改称し、本格的にコード体系の在り方や表示方法、それに伴う運用上の問題についてなど幅広く検討がなされました。昭和58年から61年にかけて検討を重ねた結果、雑誌名(雑誌コード)に加え、月号を表記した新雑誌コードと価格表記を併せた13桁の『共通雑誌コード』を誕生させました。この13桁は、プリフィックス491(49は日本、1は出販物)というフラグで始まるコード体系でJANコードに則して制定されました。このコードの誕生によって、1つの雑誌に対する多くの情報が正確かつ簡単に識別可能となり、昭和61年に、これをバーで表示したJANバーシンボル(通称バーコード)の雑誌の表4(裏表紙)へのソースマーキング<※2>が実施されました。JANコード体系に準拠した共通雑誌コードは、出版業界全体の標準となり流通の効率化が一気に進みました。
 このコードの登録管理にあたっては、昭和62年2月に業界3団体の協力により「共通雑誌コード管理センター」を設立し、同年4月に共通雑誌コードの登録受付業務を開始しました。

※1 JANコードは、国際EAN協会(European Article Number)が制定する国際標準に準拠したコードで、国際的な整合性を持つだけでなく、多くの消費財で使用されている汎用コードでもあります。

※2 商品に対してシンボルコードを商品メーカーまたは発売元の段階であらかじめ印刷表示すること。

3)定期刊行物コード(雑誌)

 共通雑誌コードの問題点は、価格表示にありました。当時価格は10円単位で表示されており、仮に雑誌の価格が1,000円を越えた場合、不都合が生じることになります。そこで平成3年6月に、定価1,000円以上の雑誌に対応可能にするため定価コード部分を2桁から3桁に拡張し、その代わりプリフィックスを1桁減らした「10」に改定しましたが、平成9年4月の消費税率変更に対応するため、「11」に変更しました。ところが、POSバーコードの本家であるアメリカ・カナダが使用する12桁にUPC(Universal Product Code)が、ヨーロッパを中心とする国際規格のEANコード体系との統一(平成17年)が決まると、それまで空席であったプリフィックス「10」~「13」がアメリカに振られることになり、これまで日本で便宜的に使用してきた「11」は、使用不可となることが分かりました。そこで平成7年に出版バーコード研究委員会を発足し、11年にはバーコード検討委員会を設置して、このプリフィックス返還問題やこれまで日本に全く流通されていなかったアドオンコード<※3>体系への移行問題など対応策の研究を続けました。平成16年3月にアドオンコード仕様を含むJIS規格「バーコードシンボル―EAN/UPC―基本仕様」(X0507)が制定されると、同年6月1日発売分より、プリフィックスを11から491に変更し、JANコードに5桁のアドオンコードを付与した18桁のコード体系の運用が実施されました。
 このコード体系は、新聞も対象とすることから、名称を共通雑誌コードから『定期刊行物コード(雑誌)』に変更し、平成24年12月には、共通雑誌コード管理センターが(社)日本雑誌協会から一般社団法人 日本出版インフラセンターに移管されたことで、名称も雑誌コード管理センターに改称しました。

※3 国際的に認可されている出版物専用コード